ヘルパーに頼めること・頼めないこと
線引きは「利用者本人の日常生活か」だけ。この一文でほとんどの疑問は判断できます。
線引きは「利用者本人の日常生活か」だけ
訪問介護でいちばん多い行き違いが、この線引きです。ヘルパーは家政婦ではありません。介護保険が費用を出しているのは、利用者本人が自分の生活を続けるために必要な支援に限られます。この一文で、ほとんどの疑問は判断できます。
判断のしかた。「これはご本人の日常生活に必要か?」と置き換えてみてください。本人の分の洗濯は必要です。同居している息子さんの分の洗濯は、必要とは言えません。同じ洗濯機を回す作業でも、扱いが変わるのはこのためです。
頼めること・頼めないこと
| 頼めること(介護保険の範囲) | 頼めないこと(保険外) |
|---|---|
| 入浴・清拭・排せつの介助 食事の介助・服薬の見守り 体位変換・移乗・通院の付き添い |
本人以外(家族)の食事づくり・洗濯 来客の応対・接待 ペットの世話 |
| 本人の食事づくり・買い物 居室の掃除・洗濯・ゴミ出し 薬の受け取り |
草むしり・庭木の手入れ・大掃除 家具の移動・模様替え 金銭管理・重要書類の手続き代行 |
身体介護と生活援助のどちらになるか
同じ訪問でも、身体介護か生活援助かで単位数が変わります。体にふれる介助があるかどうかが分かれ目です。料金の内訳が納得いかないときは、この区分を確認してください。
| 区分 | 中身 | 単位数の目安 |
|---|---|---|
| 身体介護 | 入浴、排せつ、食事、着替え、移乗、通院の付き添いなど、体にふれる介助 | 163〜387単位 |
| 生活援助 | 調理、洗濯、掃除、買い物、薬の受け取りなど、家事の支援 | 179〜220単位 |
※生活援助は、ひとり暮らしの方や、同居家族に事情があって家事ができない場合が対象です。家族が同居していれば必ず使えない、というわけではありません。事情はケアマネジャーに具体的に伝えてください。
「頼めない」と言われがちだが、実は頼めること
現場で断られやすいものの、条件しだいで認められる例があります。頭ごなしに諦めず、ケアマネジャーに相談してみてください。
- 本人が食べる分の作り置きその日のうちに食べきれない量は難しいですが、本人の翌日分までを一度に作ることは、状況によって認められます。
- 同居家族がいる場合の生活援助家族が病気・障害・就労などで家事ができない事情があれば、対象になり得ます。
- 本人が使う部屋の掃除家全体は対象外でも、寝室・トイレ・浴室・動線など本人が使う範囲は対象です。
- 通院の付き添い院内の待ち時間は原則対象外ですが、院内介助が必要と判断されれば認められる場合があります。
保険で頼めないことをどう埋めるか
介護保険の外に出るものは、次の3つで補うのが現実的です。どれも介護保険の限度額を消費しないので、区分支給限度基準額の枠を空けておけます。
| 手段 | 向いている用事 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 同じ事業所の自費プラン | 家族分の家事、範囲外の掃除。ヘルパーが同じなので話が早い | 1時間 2,500〜4,000円 |
| 家事代行サービス | 草むしり、大掃除、模様替えなど重い作業 | 1時間 3,000〜5,000円 |
| 宅配弁当・配食サービス | 毎日の食事。手渡しなら安否確認にもなる | 1食 500〜900円 |
自費プランの有無と料金は、契約前に確認してください。保険で頼めない用事は必ず出てきます。同じ事業所で両方まかなえると、別業者を探す手間が省けます。