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終活の進め方と、家族に残す手続きの地図

終活の進め方と、家族に残す手続きの地図

終活が進まないのは、性質の違う作業をひとまとめに「終活」と呼んでいるからです。物の整理、意思を残すこと、死後の手続きの準備——この3つに分ければ、今日できることから手がつきます。

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終活は3つに分かれます

「終活」とひとことで言うと重く聞こえますが、中身は性質のまったく違う3つの作業です。混ぜて考えるから手がつかないだけで、分けてしまえばどれも単体では進みます。

やること中身いつやるか
生前整理物・お金の置き場所・契約を、残る人が分かる状態にする体が動くうち。住み替えの前なら必ず
意思を残すエンディングノート、遺言書、延命治療やお墓の希望判断能力があるうち。ここだけは後から取り返せない
死後の手続きの準備家族が期限内に動けるよう、必要な情報をまとめておくいつでも。ただし本人しか知らない情報が多い
順番に迷ったら「情報」からです。物の片づけは家族でも代われますが、どの銀行に口座があるか、保険に入っているかは本人しか知りません。ここが空白のまま亡くなると、家族は期限のある手続きを手探りで進めることになります。

家族に残る手続きの地図

亡くなったあと、家族には期限のある手続きが次々に来ます。下の表は、その全体像です。終活の目的は、この表の各行を家族が迷わず進められる状態をつくることだと考えてください。

期限手続き何が必要になるか
7日以内死亡届の提出死亡診断書。火葬許可の前提になります
10日/14日以内年金受給権者死亡届厚生年金は10日、国民年金は14日。年金証書と基礎年金番号
14日以内世帯主変更届、健康保険・介護保険の資格喪失届保険証、介護保険被保険者証
3か月以内相続放棄・限定承認の申述借金の有無がここで効きます。期限を過ぎると原則として単純承認になります
4か月以内準確定申告亡くなった年の収入の申告。確定申告をしていた方は必須
10か月以内相続税の申告・納付遺産分割が終わっていなくても期限は来ます
3年以内相続登記(不動産の名義変更)2024年4月から義務化され、正当な理由なく怠ると過料の対象です

※一般的な期限の整理です。個別の相続の判断(放棄すべきか、税額はいくらか、どう分けるか)は、司法書士・弁護士・税理士にご相談ください。当サイトは法律・税務の専門家ではありません。

この表でいちばん怖いのは「3か月」の行です。借金があるかどうかを家族が把握できないまま3か月が過ぎると、原則として借金も引き継ぐことになります。だからこそ、生前整理では物より先に契約と口座の一覧を残す必要があります。

エンディングノートと遺言書は別物です

よく混同されますが、役割がまったく違います。両方あって初めて機能します。

 エンディングノート遺言書
法的効力ないある
書けること口座・保険・契約の一覧、延命治療の希望、葬儀やお墓の希望、連絡してほしい人、パスワードの在りか財産を誰にどう分けるか
形式自由。市販のノートでも普通のノートでも可法律で定められた形式を外すと無効になる
書き直しいつでも自由作り直しは可能だが手間がかかる
費用ほぼかからない公正証書遺言は公証役場の手数料がかかる

生前整理は、物より先に情報

生前整理というと家財の処分を思い浮かべますが、残る人がいちばん困るのは物ではなく情報です。次の5つを一枚にまとめるだけで、家族の負担は大きく変わります。

物の片づけそのものは、家族が代われますし、外に頼むこともできます。家事代行では日常の掃除や不用品の仕分けを手伝ってもらえます。住み替えを控えている場合は、家財を減らしておくと内見時の印象も退去時の不安材料も軽くなるため、高齢者可の賃貸もあわせてご覧ください。

元気なうちにしか決められないこと

物の整理は後からでも間に合いますが、次の4つは判断能力があるうちにしか決められません。終活で優先順位が最も高いのはここです。

決めること決めておかないとどうなるか
延命治療の希望家族が「やめる」判断を背負うことになります。書面で残っていれば、家族は本人の意思を伝えるだけで済みます
葬儀の形と規模家族が「これでよかったのか」を後から悩みます。家族葬・直葬でよいなら、その一文があるだけで違います
お墓・納骨の方法承継者がいない場合、永代供養・樹木葬・納骨堂などの選択を家族が代わりに決めることになります
判断能力が落ちたあとの代理人任意後見契約を結んでいなければ、家庭裁判所が選ぶ法定後見になり、本人が選んだ人になるとは限りません

※任意後見契約は公正証書で結ぶ必要があります。制度の適否は、地域包括支援センターや司法書士にご相談ください。

介護が始まってからでは、本人と落ち着いて話す時間が取りにくくなります。要介護認定の申請を考える段階が、終活の話を切り出す最後の機会です。認定の流れは要介護認定の申請から利用開始までの流れにまとめています。

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