訪問介護の料金のしくみ
自己負担は3つの数字で決まります。事業所に聞かなくても、自分でおおよその金額が出せます。
自己負担は3つの数字で決まる
訪問介護の料金は「1時間いくら」ではありません。サービスごとに単位数が決まっていて、そこに地域ごとの単価と自己負担の割合を掛けたものが、窓口で払う金額になります。この3つを押さえれば、事業所に聞かなくてもおおよその金額が自分で出せます。
①単位数 — サービスの種類と時間で決まる
単位数は国が全国一律で定めています。大きく身体介護(体にふれる介助)と生活援助(家事の支援)に分かれ、時間が長いほど単位数が上がります。
| サービス区分 | 時間 | 単位数 |
|---|---|---|
| 身体介護が中心 | 20分未満 | 163単位 |
| 20分以上30分未満 | 244単位 | |
| 30分以上1時間未満 | 387単位 | |
| 生活援助が中心 | 20分以上45分未満 | 179単位 |
| 45分以上70分未満 | 220単位 |
※20分未満の身体介護は、頻回の訪問を行う場合など算定要件が定められています。
②地域区分 — 同じサービスでも住む場所で単価が違う
人件費の水準が地域で違うため、1単位あたりの金額も地域ごとに変わります。これを地域区分と呼び、1級地から7級地、その他の8段階に分かれています。訪問介護は人件費割合が70%と高いサービスなので、地域差が金額にはっきり出ます。
| 地域区分 | 1単位 | 主な地域 |
|---|---|---|
| 1級地 | 11.40円 | 東京23区 |
| 2級地 | 11.12円 | 横浜市、川崎市、大阪市 など |
| 3級地 | 11.05円 | さいたま市、千葉市、名古屋市 など |
| 4級地 | 10.84円 | 神戸市、京都市 など |
| 5級地 | 10.70円 | 福岡市、広島市 など |
| 6級地 | 10.42円 | 札幌市、仙台市 など |
| 7級地 | 10.21円 | その他の都市部 |
| その他 | 10.00円 | 上記以外 |
東京23区(1級地)と「その他」を比べると、同じサービスでも14%の差が出ます。身体介護30分未満を週5回、1か月使うと、1割負担で月あたり600円ほど違う計算です。引っ越しを検討している方は、この差も頭に入れておくと計算が合います。
③負担割合 — 所得によって1〜3割
負担割合は介護保険負担割合証に記載されています。毎年7月ごろに市区町村から届き、8月から翌年7月まで有効です。所得が上がると翌年の割合が上がることがあるので、届いたら必ず確認してください。
- 1割大部分の方がこれにあたります。
- 2割一定以上の所得がある方。
- 3割現役並みの所得がある方。
実際の請求額はもう少し上がる
ここまでの計算は基本報酬だけです。実際の請求には、次のような加算が上乗せされます。「計算より高い」と感じる原因のほとんどはこれです。
| 加算の例 | どんなときに付くか |
|---|---|
| 処遇改善加算 | 介護職員の待遇改善のための加算。ほとんどの事業所が算定しています |
| 初回加算 | 利用を始めた月に付きます |
| 緊急時訪問介護加算 | 予定外の緊急訪問に対応したとき |
| 早朝・夜間・深夜加算 | 6時前・18時以降・22時以降の訪問 |
| 特定事業所加算 | 体制や人材要件を満たす事業所に付きます |
使いすぎると全額自己負担になる — 区分支給限度基準額
介護保険には、要介護度ごとに1か月に使える上限が単位数で定められています。これを超えた分は保険が使えず、全額自己負担になります。訪問介護だけでなく、デイサービスや福祉用具レンタルも同じ枠を使う点に注意してください。
| 要介護度 | 限度額 | 1級地での目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 約57,000円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 約120,000円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 約191,000円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 約225,000円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 約308,000円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 約353,000円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 約413,000円 |
※「1級地での目安」は限度額 × 11.40円で計算したサービス費の総額です。自己負担はこのうち1〜3割です。限度額の管理はケアマネジャーが行いますが、超過しそうなときは事前に説明を受けてください。
負担が重いときに使える仕組み
- 高額介護サービス費1か月の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が後から払い戻されます。申請が必要です。
- 高額医療・高額介護合算療養費1年間の医療費と介護費の合計が上限を超えたとき、超過分が払い戻されます。
- 特定入所者介護サービス費施設入所やショートステイの食費・居住費の負担を軽減する仕組みです。
- 社会福祉法人等による利用者負担軽減所得の低い方を対象に、一部の事業所で負担が軽減される場合があります。
いずれも自動では適用されません。該当しそうな場合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口か、地域包括支援センターに確認してください。