区分支給限度基準額とは
上限は金額ではなく単位で決まっています。超えた分は1割負担の方でも全額自己負担です。
公開日:2026-09-26 更新日:2026-09-26
「限度額」は金額ではなく単位で決まっている
介護保険で使えるサービスの量には、要介護度ごとに上限があります。これが区分支給限度基準額です。多くの解説が金額で書いていますが、国が定めているのは1か月あたりの単位数で、金額はそれに地域ごとの単価を掛けて初めて出てきます。同じ要介護1でも、東京23区と地方では使えるサービス費の総額が2割近く違うのはこのためです。
要介護度別の限度額(1か月)
この単位数は令和元年10月1日から変わっていません。令和6年度の介護報酬改定でも、令和8年6月の改定でも据え置かれています。
| 要介護度 | 限度額 | 1級地の総額の目安 | 1割負担なら |
|---|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 約57,300円 | 約5,700円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 約120,000円 | 約12,000円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 約191,100円 | 約19,100円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 約224,600円 | 約22,400円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 約308,300円 | 約30,800円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 約352,600円 | 約35,200円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 約412,800円 | 約41,200円 |
※総額は限度額いっぱいを訪問介護(1級地・1単位11.40円)で使ったと仮定した計算です。実際にはサービスの組み合わせで単価が変わります。自己負担の割合は所得により1〜3割です。
サービスの種類で1単位の金額が違う
ここを知らないと計算が合いません。1単位の単価は地域区分(東京23区は最も高い1級地)だけでなく、サービスの種類ごとにも違います。人件費の比率が高いサービスほど単価が高く設定されているためです。
| 単価 | 主なサービス |
|---|---|
| 11.40円 | 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援 |
| 11.10円 | 訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、短期入所生活介護(ショートステイ)、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護 |
| 10.90円 | 通所介護(デイサービス)、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設 |
つまり同じ「1,000単位」でも、訪問介護なら11,400円、デイサービスなら10,900円です。限度額は単位で管理されるので、単価の安いサービスを組み合わせたほうが、同じ限度額でより多くの回数を使えます。
限度額に入らないサービスがある
ケアプランに載るサービスがすべて限度額を消費するわけではありません。次のものは限度額の枠の外で、別に上限が決められているか、上限そのものがありません。
- 居宅療養管理指導医師・歯科医師・薬剤師などが自宅を訪問して指導するもの。限度額の対象外です。
- 特定福祉用具販売入浴・排せつ用具などの購入。限度額とは別枠で、年度ごとの上限が設けられています。
- 住宅改修手すりの取り付けや段差解消。これも別枠です。
- 施設サービス特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院などに入所して使うサービス。
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・特定施設入居者生活介護短期利用を除き、対象外です。
逆に、福祉用具貸与(レンタル)は限度額の中に入ります。「購入は別枠、レンタルは枠の中」という、まぎらわしい線引きです。介護ベッドや車いすを借りると、その分だけ訪問介護やデイサービスに回せる枠が減ります。
ケアプランを作ってもらう居宅介護支援(ケアプラン作成)の費用は、全額が保険給付で利用者負担はありません。限度額を消費することもありません。
処遇改善加算は限度額に含まれない
請求書を見ると、サービス費のほかに処遇改善加算が上乗せされています。介護職員の賃金改善にあてられるもので、サービス費の総単位数に一定の率を掛けて計算されます。
ただし「加算はいくらでもタダで付く」という意味ではありません。自己負担は加算を含めた金額の1〜3割ですから、請求額は増えます。また限度額を超えた分のサービスと、それに対応する加算は、どちらも保険給付の対象外になります。
「限度額は超えていないのに、思ったより請求が高い」という相談の多くは、この加算が理由です。おかしいと思ったら、明細の加算欄を見てください。
限度額を超えたらどうなるか
超えた分は全額が自己負担になります。1割負担の方でも、超過分だけは10割です。要介護1の方が限度額を1,000単位超えると、超過分の負担は約11,400円。ふだんの自己負担のおよそ10倍の重さになります。
限度額に収まらないとき、選べる道は3つあります。
- 要介護度の区分変更を申請する心身の状態が申請時より重くなっているなら、区分変更申請ができます。認定が上がれば限度額も上がります。
- 保険外サービスに置き換える家事だけなら自費の家事代行、見守りなら民間の見守りサービスのほうが安く済むことがあります。保険を使わないので限度額を消費しません。
- 限度額の枠外のサービスに寄せる住宅改修で手すりを付けて移動の介助を減らす、といった組み替えです。改修は別枠なので限度額を圧迫しません。
確認するときの言い方
ケアマネジャーに聞くときは、この3つで足ります。
- 「今月の限度額は、あと何単位残っていますか」
- 「このサービスを足すと、限度額を超えますか」
- 「請求額のうち、加算はいくらですか」
限度額の管理はケアマネジャーの仕事なので、聞くこと自体が失礼にはなりません。むしろ利用者側から確認が入るほうが、行き違いが起きにくくなります。
- 厚生労働省「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額」(平成12年厚生省告示第33号/平成31年10月1日適用)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成27年厚生労働省告示第93号)
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日 老発0313第6号)
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」ケアプラン作成の利用者負担について
- 東京都目黒区・世田谷区・立川市「区分支給限度額」/堺市「支給限度基準額」/静岡市「区分支給限度基準額の対象外サービス」
最終確認日:2026-09-26/単位数は発行元の異なる複数の資料で一致を確認したものだけを掲載しています。制度・金額は改定される場合がありますので、ご利用前に市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。